空き家を放置すると固定資産税はどうなるか
根拠:地方税法・空家等対策特別措置法(2023年12月13日改正施行)/確認日 2026-08-02
「空き家でも建物を残しておいたほうが税金は安い」——これは長らく事実でした。 住宅が建っている土地は住宅用地特例により、 固定資産税の課税標準が200m²以下の部分は1/6、それを超える部分は1/3に減額されるからです。ボロボロの空き家が取り壊されずに残る大きな理由が、 この特例でした。
「勧告」で特例が外れる
空家等対策特別措置法により、倒壊のおそれや衛生上の問題がある空き家は特定空家に指定されることがあります。市区町村から 改善の勧告を受けると、その敷地は住宅用地特例の対象から 外れます。課税標準が1/6だった土地なら、固定資産税は最大で約6倍(都市計画税は約3倍)になります。
2023年の改正で対象が手前に広がった
2023年12月13日に施行された改正で、管理不全空家という区分が加わりました。 窓や壁が壊れているなど、放置すればいずれ特定空家になる状態の空き家です。 重要なのは、管理不全空家も、勧告を受けた時点で住宅用地特例から除外されるようになったことです。「倒壊寸前まで行かなければ大丈夫」ではなくなりました。
特例の除外は、勧告後に改善しないまま賦課期日(1月1日)を迎えると、 翌年度の課税から適用されます。
持ち続けるコストの計算
空き家を持ち続けるコストは、固定資産税だけではありません。
- 固定資産税・都市計画税(勧告を受ければ最大約6倍)
- 火災保険・地震保険(空き家は保険料が上がるか、引受を断られることがある)
- 草刈り・通風・雨漏り確認などの管理の手間、または管理代行の費用
- 老朽化による資産価値の下落そのもの
地価が横ばいか下落している町では、これらの持ち出しを地価の上昇が 取り返してくれる見込みは立ちません。「いつか使うかもしれない」の「いつか」に値段がついている、と考えるのが実態に近いです。
本記事は制度の概要です。個別の税額は市区町村の資産税担当課にご確認ください。